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【Star Fox クリア後レビュー】64版らしさはあったのに、なぜ合わなかったのか?

Star Foxのキャラクター4人と「64版らしさはあった でも合わない」の文字を配置したクリア後レビューのサムネイル レビュー
レビュー

終始、体験版の時の感想そのままでした。 平方野雪です。

みなさんはNintendo Switch 2向けゲームの
「Star Fox(以下スタフォ)」をご存知でしょうか。

こちら↓が体験版をプレイした際の紹介と、発表時点での感想を載せた記事です。

【Star Fox体験版 感想】64勢が遊んだら思っていたより面白かった|でも違和感も残る
Nintendo Switch 2『Star Fox』体験版を、スターフォックス64を発売当時に遊んだ平方野雪がプレイ。メテオの操作感や敵配置は64版に近く好印象。一方で、追加セリフや世界観補完の良さ、セリフ改変・フォックスの性格・SE再現に残った違和感を語ります。

 

さてご存じの方もいるでしょうが、今作のスターフォックスは
1997年に発売された「スターフォックス64」のリメイクです。ほぼ30年前ですね。

そしてオレは当時エクストラ勲章全部獲得し、対戦モードの歩兵で
クッソ弱いじゃんwとか笑っていたキッズでした。
また、今でも64の名台詞を思い出せるほどやり込んだものです。

そのため、Switch2でリメイクされると発表されたときは驚きました。
64以降いまいち軌道に乗れなかったスタフォが、今度こそ来るのでは……!?
そう願わずにはいられませんでした。

が、しかし……発表時のムービーを見て、発売前の体験版をプレイしてみて
「64と同じようで、何かが違う」という違和感があり、
実際に製品版でノーマルをクリアしてみて最後までそれは残りました。

そう、結論から言うと「またしてもオレには」合わなかった。

これは昔と違うから気に入らない、というだけではありません。
今作で追加された要素は、素直に評価できるものがあったり
システム的に遊びやすくなってる部分がある一方で
シューティングゲームとして分かりにくくなった部分もあります。

この記事では、スターフォックスをクリアして感じた、
リメイクとして良かった部分と気になった部分、

そして今作に対して「合わなかった」と感じた理由をまとめます。

 

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1.良い点:ブリーフィングとホロメモリ

手放しで称賛出来る要素から紹介します。
今作で特に良かったのが、ブリーフィングホロメモリです。

 

物語やキャラクターに深みを出したブリーフィング

ステージの合間でブリーフィングムービーが挟まるのですが、これが非常に良い。
しかも作戦の成功度合いで二パターン用意されてる(ステージもある)のがニクい。

64版でもステージ開始前に、ペパー将軍とフォックスの
非常に短いやり取りがあるのですが、互いに一言いうくらいで
「なぜその場所へ向かうのか?」に関してはあまり詳しく語られませんでした。

ですが、今作では分岐したルートの合間にキャラクター同士の会話が入り、
フォックス以外の言動や、次の目的地へ向かう理由が補強されています。

例えばセクターY。ここはコーネリア軍を援護するというステージで
スコアを100以上で作戦完了となり、
アクアスとカタリナの二つのルートを選べるようになるのですが……
大前提として、片方どちらかしか行けません。

カタリナはコーネリアの前線基地がある所で、アンドルフ軍に襲われてる
一方アクアスは敵の動きが不穏なので調査。
この状態でのストーリー的な緊急性は紛れもなくカタリナです。
なので、64の際は「選ばなかった片方の星はどうなるんだろう?」と思ったものですが
今作は「セクターYの部隊をカタリナに回すことが出来る」という補完がされました。

他にも単にステージが枝分かれするのではなく、
「この状況だから、次はこの惑星へ向かう」という流れが分かるようになりました。

64の時からもそうだったのかもしれませんが、
納得の出来る形としてストーリーでお出しされるのはよかったですね。

フォックスだけでなく、スリッピーやペッピー、ファルコといった
彼らの掛け合いも増えており、「スターフォックス」という
チームの雰囲気を楽しめる追加要素として、非常に良かったと思います。

 

世界観を補完するホロメモリ

世界観や機体情報などを閲覧できるホロメモリも、内容自体は文句なし。

これまで、外部の攻略本や設定資料集でのみで語られていたような情報を
ゲーム内資料として確認できるため、登場人物や世界観、
メカの情報やスペックを読むのが好きな方には嬉しい要素でしょう。

ホロメモリはストーリーを攻略することでも解放されますが、
基本的にチャレンジモードを達成することで解放されていきます。

そのチャレンジも、途中で撤退しても進行状況が残り、
かつ一度のプレイですべての条件を達成する必要はありません。
全てを解放するとなると簡単ではありませんが、
この手のお題型コンテンツとしては、比較的親切に作られています。

ブリーフィングとホロメモリについては、
64版に不足していた物語や設定を補う、リメイクとして良い追加要素であり
個人的には評価できる部分、という認識です。

 

2.賛否が分かれる点:64版とは異なるセリフや演出

今作には、64版をそのまま再現している部分と、
セリフや演出を変更している部分が混在しています。

新しく追加された掛け合いや物語の補完には良いものがある一方、
元の場面を知っているからこそ、
言い回しや演出の変化が気になる部分も多くありました。

今作はシネマティックシューティングゲームと銘打たれており
全体的に、アクション洋画を思わせるシリアスな表現へ寄せられています。
グラフィックが現代的になった以上、64版のコミカルなセリフや演出を
そのまま使うと、映像との違和感が生まれるという考え方も分かります。

また、64版経験者の中にも、
「古いままではなく、新しいものを見たい」
「現在の映像に合う表現へ変えてほしい」

と考える方はいるでしょう。
そのため、ここに関して万人が満足する答えはありません。

ただ、個人的には64版のリメイクとして出す以上、
印象的だったセリフや演出も可能な限り再現してほしかった
というのが正直な感想です。

敵配置やステージ構成など、多くの部分が64版に準拠しているからこそ、
変更された場面が余計に目立ちます。言い方は悪いのですが、
リメイクしている部分としてない部分が中途半端なのです。

「知っているはずなのに、知っている感覚で進まない」

発表映像や体験版の時点で感じていたこの違和感は、
製品版を最後まで遊んでも残り続けました。

具体的にどのセリフや演出が変わり、なぜ気になったのかを書き始めると、
ネタバレを含むうえに非常に長くなるためここでは書きませんが……
けど、これだけは言わせて下さい。

「作戦完遂」って何 マジで

「作 戦
 完 了」でよかったろ

 

3.課題点:撃っている手応えも、撃たれている危機感も弱い

正直、セリフや演出などは人によっては良いとされているので
思い入れ補正以外にも、受け取り方次第だろうなとは思っています。

なので言ってしまえばお気持ちです。
そしてぶっちゃけてしまえば、セリフや演出は
よほど害悪でなければゲームプレイ部分に影響しません。

しかし……遊んでいて純粋にシューティングとして不満な点がありました。
それは、敵味方のダメージ表現を筆頭に、攻撃や被弾への反応が分かりにくい。
ここだけは純粋にゲームとしてのフィードバック設計が悪いと思いました。

 

ダメージのやり取りがわかりにくすぎる

64版では、敵へ攻撃するとヒットエフェクトや点滅が発生し、
命中したことを伝える明確な「カコォン」「ボン」というデカめの効果音も鳴ります。

また、ボスの弱点や破壊可能な部位も、明確に明滅していて
正しく狙えているのか、すでに破壊できたのかを判断しやすくなっていました。

今作では、これらの反応が地味で全体的に控えめ過ぎる。
ヒット音は今作でも鳴るのですが、特に分かりやすく点滅はしません。
64と違ってペラい鉄板を叩いてるかのような軽量な音で、
攻撃が当たっていても手応えが薄い。

弱点を知っているボスを相手にしていても、

  • 正しい場所へ攻撃できているのか
  • ダメージを与えられているのか
  • 部位を破壊できたのか

これらが分かりにくい場面が多数ありました。
攻略方法が分からないのではなく、正しい行動に対するゲーム側の反応が弱いのです。

 

自分がどれだけピンチなのかもわかりにくい

自機が攻撃を受けた際の危険も、64版より明らかにわかりにくくなっています。

64版ではシールドが減ってピンチになると残量に応じた警告音が鳴り、
画面中央の敵へ集中していても、自機が危険な状態だと察知できました。
翼が折れれば明確な音がする。被弾時は機体がかなりわかりやすく点滅する。

今作では、そのような明確なアラートや、点滅といった
64版ほどの明確なダメージ表現がありません。

左上のシールドゲージを見なければ、
自機がどれほど追い込まれているのかすらも気付きにくくなっています。

撃っている手応えも、撃たれている危機感も弱い。

これは、シューティングゲームとしてかなり大きな問題です。
恐らく、リアル調に寄せた結果、そういった表現をなくしたのかもしれません。

しかしリアルに見せることと、
ゲームとして必要な情報を分かりやすく伝えることは別です。
シネマティックなのは大いに結構。しかし、これはゲームです。

派手な点滅や効果音は、単なる古い演出ではありません。
弾が当たったことを気持ちよく伝え、弱点をしっかり狙えている。
プレイヤーの行動が正解だと理解させるための、必要な反応です。

もっと細かく言えば、勲章の取得もサラッと色が変わるだけ。
気づかないうちに取っていて、演出も特になし。
これといった達成感もなく次へ行きます。

64版では目標スコアに到達した瞬間、スコア表示が点滅しながら赤くなり
おめでとう!と言わんばかりにアピールしてくれます。
そしてクリア後には勲章獲得のアニメーション。やったぞと。
こういうとこだぞ。

 

4.でも、一番変わったのはプレイヤー自身なのかもしれない

とまぁ、過去作から変わった点を色々言いましたが……結局は一番の所
自分が変わってしまったのが原因だったのかもしれません。

今作をノーマルで全部一周しました。実況動画を撮りながらだったので
約5時間ほどかかりましたが、真エンドまで見れました。
今後も勲章集めやチャレンジモード、
更にはエキスパート、対戦などまだ遊べる要素は残っています。

試しにチャレンジモードで一つクリアしました。
途中撤退が可能で、すべての条件を一度に達成する必要もなく、
報酬のホロメモリも読み応えがあって面白い。

それにチャレンジと言っていますが、目標をガン無視して遊ぶことだって出来ます。
64版であれば、後半のステージはストーリーをそこまで進めなければプレイできず
かつリトライも残機が減るのであまり気軽にできませんでした。
チャレンジ付きの、事実上のフリープレイモードです。
チャレンジの作り自体が悪いとは思いません。

それでも……クリアして最初に出た感想は、
率直に言えば「めんどくさい」でした。

考えてみると、オレは昔からコンプリート型の遊びをあまり好みません。
なんとなく遊び、自然に上達している間は楽しめます。

しかし、特定の条件を達成する、
すべての項目を埋めるといったことが目的になると、
急に作業として感じてしまいます。

反復するゲーム自体が嫌いなわけではありません。
ハクスラ、素材採取、装備収集、ビルド構築など、
繰り返すたびに自分の選択肢が増えるゲームは好きです。
新しい装備を手に入れ、素材を集めて強化し、性能を変えて次の攻略方法を考える。

こういった要素が、スターフォックスには元からありません。
もしチャレンジの報酬として、

  • 性能の異なる自機
  • カスタム可能な装備
  • 新しいレーザーやボム
  • 攻略方法が変わる特殊能力

などが解放されるのであれば、恐らく続きを遊んでいたでしょう。
ただし、それを今作にそのまま求めるのが正しいとは思いません。

 

今の自分が求める遊びとは違っていた

スタフォ64型のゲームは、敵配置も自機性能も基本的に固定されています。

もちろんステージ中にはレーザー、ボム、シールドといった強化要素がありますが、
それ以上に機体を育成したり、装備を組み替えたりする作品ではありません。
フラットな環境で敵配置を覚えて、操作技術を磨き、
最終的には己の実力一つで攻略する。

そのシンプルさとストイックさこそが、スターフォックス64の魅力です。
そして今作も、スターフォックス64のゲーム性にかなり忠実な作品だと思います。
それは64をやり込んだからこそわかるし、逆にやり込んだからこそ
セリフなどの違いに違和感を覚える。

だからこそ、今作のチャレンジや勲章集めを面倒だと感じた理由を、
ゲーム側の問題だけにはできません。

自分自身が、昔と同じようには楽しめなくなっていた。
今のオレが好んでいるのは、遊ぶことで次の選択肢が増えていくゲームです。
固定された条件で自分の腕を磨き続けることより、
遊んだ結果として次の遊び方が変化することを求めるようになっていました。

自分の好みも、64版を遊んでいた頃とは変わっていた。
30年の間にさまざまなゲームを知り、腕を磨くこと以外の楽しさも覚えました。
今作を遊んだことで、自分がゲームに求めるものが昔とは変わっていたことに
はっきりと気付きました。

そして、今作で変更された演出や設定も、
今後のスターフォックスでは新しい基準になっていくのだと思われます。

「昔話はいいよペッピー、だから俺のやり方でいくよ」

フォックスのこれは、
64版という過去の幻影を追い続けていたプレイヤーに対する、
今作なりの言葉だったのかもしれません。

 

5.最後に

散々言いましたが「Star Fox」は悪いゲームではありません。
スターフォックス64に近いゲーム性はしっかりと受け継がれており、
ブリーフィングやホロメモリには、リメイクとして意味のある追加もあります。

ゲーム性も良好で、アーケード的な3Dシューティングとしての完成度は高め。
難易度も選択できるため、初めて遊ぶ方でも入りやすいでしょう。

一方で、64版から変更されたセリフや演出は、
過去作プレイヤーに十分な違和感を与えるものでした。
攻撃や被弾への反応も弱く、撃っている手応えと撃たれている危機感が
伝わりにくい点は、シューティングゲームとして明確に気になる部分です。

そして、勲章集めやチャレンジへ気分が乗れなかったことについては、
今作だけが原因ではありません。固定された条件で自分の腕を磨くことよりも、
装備や成長によって攻略方法が変わるゲームを、
今のオレは好むようになっていました。

64らしいゲーム性は帰ってきた。
しかし、64版の爽快感を支えていた細かな手触りは変わり、
オレ自身も昔と同じ遊びを求めてはいませんでした。

思い出は時として枷になる。
今作に対して残った「同じようで何かが違う」という感覚は、
リメイクとしての変化と、自分自身の変化が重なって生まれたもの。

これからのスターフォックスについては、
地獄の親父ジェームズのように、遠いとこから見守ることにします。

 

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