視点を変えたら世界がバグりました。平方野雪です。
皆さんは、遠近法や錯視を使った一人称パズルゲーム
「Superliminal」をご存知でしょうか。
Steamでの説明はこちらです。
知覚が現実になる。
……いや、どういうこと?
と思うかもしれませんが、これは本当にそういうパズルゲームです。
たとえば、見えている大きさがそのまま現実の大きさになる。
遠くに置けば小さく見えるし、近くに見せればデカくなる。
普通のパズルゲームのつもりで遊ぶと、かなり頭がおかしくなります。
ちょうどいいところに、僕が実況した見どころShortがありましたね♥
ただし、シリーズ全体の内容を含むため、ネタバレを避けたい方は飛ばしてください。
1.Superliminalとは
Superliminalは、Pillow Castle Gamesによる一人称視点のパズルゲームです。
ジャンルとしては、ホラーゲームでもアクションゲームでもなく、
強制遠近法や錯視を使って夢の世界から脱出していくパズルゲームです。
舞台となるのは、ピアーズ博士による夢療法プログラム
「SomnaSculpt」の中。主人公は夢の中で目を覚まし、
不思議な実験施設のような空間を進んでいくことになります。
ただし、この世界では普通の常識が通用しません。
大きいものが小さくなり、
小さいものが巨大化し、
壁だと思ったものが通路になり、
通路だと思ったものが絵だったりします。
つまり本作は、単にパズルを解くゲームというより、
自分が見ているものを疑うゲームです。
【Superliminal:Steamストア】
https://store.steampowered.com/app/1049410/Superliminal/
2.視点を変えると世界が変わる錯視パズル
では、実際にどういうゲームなのか。
本作を象徴するのが、物の大きさを遠近法で変えるパズルです。

たとえば、このチェスの駒。
普通に見れば、ただのオブジェクトです。
しかしSuperliminalでは、こういった物体を持ち上げ、
見え方そのものを利用して大きさを変えることができます。

この状態で持ち上げると、画面上ではさっきより大きく見えます。
そして、そのまま離すと……。

見えていた大きさのまま現実になります。
なんかデカくね????????????????????????

さらに大きく見えるように視点を調整して、もう一度置くと……。

ズドン。
さっきより明らかに巨大化しています。
音まで変わります。明らかに質量まで増えてやがる……ッ!
つまりSuperliminalでは、
見えている大きさが、そのまま現実の大きさとして反映されるわけです。
逆に、大きいものを小さくすることもできます。

たとえば、通路にこんなクソデカルークが詰まっています。
普通なら邪魔でしかありません。
こんなのを置いた人は、通路設計を根本から見直したほうがいい。
ですが、これを持ち上げて……。

コトン……
遠近法で小さく見えるようにしてから置くと、
本当に小さくなります。これで通路を通れるようになるわけです。
このように、Superliminalは
見方を変えることで、世界そのもののルールを変えていくゲームです。
ステージが進むにつれて、ただ物を大きくしたり小さくしたりするだけではなく、
空間そのものが信用できなくなっていきます。
通れるはずのない場所を通り、
存在しないはずのものが現れ、
現実なのか夢なのか、どんどん分からなくなっていく。
そしてこの「視点を変える」という仕組みは、
最終的にはゲーム全体のテーマにもつながっていきます。
3.Superliminalはホラーゲームなのか?
結論から言えば、Superliminalはホラーゲームではありません。
ジャンルとしては一人称視点の錯視パズルゲームです。
敵に追いかけられるゲームでも、怪物と戦うゲームでもありません。
非常に難しい手順を踏む必要もなく、公式が言うほど難易度も高くありません。
ただし、プレイしていると途中でこう思います。
……ほんとはホラゲなんじゃないの?
というのも、中盤から急に雰囲気が不穏になります。
施設の照明が落ち、
夢の世界がどんどん崩れ、
案内してくれるAIも信用できなくなり、
博士の通信まで怪しくなっていく。
特に停電パートあたりは、
「いや、これパズルゲームの顔してるだけで実はホラーでは?」
と言いたくなる不気味さがあります。
ただ、その怖さは幽霊や怪物の怖さではありません。
自分が見ているものを信用できない怖さです。
ここがSuperliminalの面白いところで、
ゲームシステムとしても、物語としても、ずっとプレイヤーに
「本当にそう見えているだけでは?」と問いかけてきます。
4.Superliminalの実況動画
というわけで、平方野雪も実況プレイしました♥
Superliminalは文章で説明するより、
実際に動いているところを見るほうが分かりやすいタイプのゲームです。
まずは初回からどうぞ。
#01 常識が通用しない世界の謎を解け
全6話の本編と見どころShortは、こちらの実況まとめページに整理しています。
ネタバレを避けたい方は、ここから先を読む前に
本編を見てもらったほうがよいかもしれません。
※ここから先はネタバレ注意※
ここからは、Superliminalの終盤展開やラストの意味、
ピアーズ博士とAI、夢療法の真相について触れます。
何も知らない状態で最後まで体験したい方は、
先にゲーム本編、または実況動画を見るのがおすすめです。
5.ネタバレあり:Superliminalとは何だったのか

ここからはネタバレです!!!!!!!!!!!
怖い画像は出てきませんが……
覚悟の準備をしておいて下さい!!!!
さて、ここからはネタバレありで書きます。
正直言って、実況中は博士やAIが何言ってるかよくわからなかったので
ガッツリ調べました。まずは事実を陳列します。
Superliminalの主人公は、ピアーズ博士の夢療法プログラム
「SomnaSculpt」を受けている患者です。
序盤は、博士の案内に従って夢の中の実験施設を進んでいるように見えます。
ところが、話が進むにつれて博士やAIの案内がおかしくなっていきます。
本来なら起きられるはずなのに起きられない。
夢の中で、さらに夢へ落ちるような構造になる。
安全装置も機能せず、案内AIは主人公を正常な患者として扱わなくなる。
博士の通信も不安定になり、夢の世界そのものが崩れていく。
これ、本当に大丈夫な実験なのか?
特にAIは、最初こそ主人公をナビゲートしていましたが、
途中から不穏な発言が混ざるようになり、
最終的には主人公を異常や侵入者のように扱ってきます。
規定の手順に従って異常を処理しようとする安全装置として牙を剥いてきます。
ピアーズ博士との通信も、どんどんバグったかのように乱れるようになり
まともなやり取りもできなくなっていく。
そんな異常の中、目覚めることもできない主人公は更に夢の奥へ進みます。
異常さを増す空間。定義がどんどん変わっていく世界。
夢のループや、矛盾のようなさらに謎の空間を進み、
最終的にはAIを振り切って白い空間へたどり着きます。
すると、急にクリアになった音声と共にピアーズ博士の声が届きました。
「これまでの出来事は、すべてそういった演出であった。
主人公に別の視点から物事を見るための体験だった」と。
夢の中で得たものも、自分が現実だと信じるなら現実になる。
そして主人公は、現実へ戻る……一見すると、綺麗なラストです。
最初は「視点を変えると物の大きさが変わる」ゲームでした。
しかし最後には、視点を変えると問題の見え方そのものが変わるという
話に着地します。
なるほど、一見いい話で良いラストだと思います。
……ただし。
本当に全部、予定通りだったのでしょうか?
6.すべては本当に予定通りだったのか?
ここからは考察です。では実際どうだったのか?
オレの考えとしては作中で見えた通り、
かなり危ない状態になっていたのではないかと思います。
主人公は本来のルートから外れ、予定通りに起きられなくなった。
AIは主人公を正常な患者ではなく、システム上の異常として扱った。
夢の世界は崩れ、ループや矛盾のような状態に入り込んだ。
そして主人公は、その矛盾を突破することで、結果的に現実へ戻った。
つまり、博士が言うように最初から最後まで「そういった治療」だったというより、
途中で本当に事故っていたが、結果としてうまくいったようにも見えます。
博士は研究所側の人間です。
企業的な立場、研究者としての立場もあります。
もし本当に危ない状態だったとしても、
「いやーウチのプログラムヤバかったっすねw」とは認められないでしょう。
だから博士は、すべてを「予定通りの治療」として語った。そう見えました。
主人公が脱出できていなかった場合?それはもちろん……
科学ノ進歩ニ 犠牲ハ ツキモノデース
7.AIはなぜ主人公を排除しようとしたのか
作中のAIは、かなり冷たい存在です。そこがいい?うわ……
博士が若干怪しい翻訳で語りかけてくるのに対し、
AIはあくまでシステムの案内役として振る舞います。
そして途中からは、主人公を助けるというより、
異常な存在として処理しようとしているように見えます。
というか、発言を見る限り、完全に排除しようと動きます。
ここで重要なのは、AIが悪意ある敵というより、
人間の心などない安全装置に近いという点です。そこがいい?うわ…………
主人公が通常の夢療法ルートから外れ、
予定通りに起床できず、夢の奥へ進み続けた。
その結果、AIから見れば主人公は
「治療中の患者」ではなく、システム内の異常になってしまった。
だからこちらを排除しようとしたのではないか?
また、ゲーム内でも開発には難航したかのような描写や
SomnaSculptの内部処理を思わせるコード断片のような隠し要素もあり、
これらを鑑みると、夢療法システムそのものが
完全無欠だったとは言い切れないようにも思えます。
それをカバーするために、AIは排除、修正する機能を持ち合わせていた。
単なるナビゲーターにそんな機能は不要ですからね。
人間の問題を解決するための治療システムなのに、
そこにいるAIは人間の不安や混乱を理解しているわけではない。
しかもおかしくなる前辺りのチャプターでは、
血痕のような、事件現場かのような演出もあるため、尚更恐ろしいです。
目覚めようとしても更に狂った世界に飛ばされた上、
「機械的に処理される」恐怖。
Superliminalがホラーゲームめいて見えるのは、
このAIの冷たさにもあると思います。
8.Superliminalの主人公は何者なのか
では、そもそも主人公は何者なのか?
といっても作中では、主人公の名前や性別どころか、
具体的な過去はほとんど語られません。
分かるのは、夜中にピアーズ博士の夢療法のCMを見たことがきっかけで、
プログラムを受けに来た患者であること。
そして、何かしら現実で行き詰まっている人間らしいことです。
何かに悩み、
同じ考え方を繰り返し、
失敗を恐れて、
別の見方ができなくなっている。
つまり、心理的な悩みを抱えていたのではないかと思われます。
しかしだからこそ、ラストのメッセージが効いてきます。
Superliminalは、物を大きくしたり小さくしたりするゲームです。
しかし本当に変えるべきだったのは、物の大きさではなく、
主人公自身のものの見方だったのかもしれません。
視点を変えれば、世界が変わる。それはゲーム内のパズルだけでなく、
主人公が現実へ戻るために必要だったことでもあるのでしょう。
9.最後に
Superliminalは、最初こそ「遠近法で物をデカくする変なパズルゲーム」
という印象の作品です。
しかし、途中から夢療法はかなり危ない状態になり、
AIも主人公を排除しようとしましたが、それでも主人公が夢の矛盾を突破したことで
結果的に成功したのだと受け取りました。
そして博士は、それを「予定通り」として語った。
色々読み解いてくうちに、そう思いました。
ただし、それすらもまた「別の見方」の一つであり、答えではありません。
視点を変えれば、物の大きさが変わる。
視点を変えれば、通れない道が通れるようになる。
視点を変えれば、問題の意味すら変わって見える。
本当に事故だったのか。
それとも、事故に見えることまで含めて治療だったのか。
その答えを一つに決めきれないところまで含めて、
Superliminalらしいのだと思います。
10.Superliminalの実況まとめ・関連リンク
Superliminalをプレイした実況動画は、
全6話+見どころShortを実況まとめページで整理しています。
この記事で紹介した遠近法パズルや、夢療法の不気味な展開、
ラストまでの流れを実際のプレイで見たい方は、こちらをご覧ください。

